ブライドルレザー
重厚感のある上品な光沢が魅力のブライドルレザーは、タンニンなめしを施した後、時間と手間をかけてロウを染み込ませる製法により生み出される革のことです。もともとは馬具に使用するために作られた革であり(ブライドルとは馬具という意味)、堅牢な牛皮を原皮とし、ロウを染み込ませることで革の密度が高まるため、数ある革の中でもトップクラスの強度と耐久性を誇ります。革の表面にはブライドルレザーの特徴ともいうべき、ブルームと呼ばれる白いロウの粉が浮き出ています。ブルームはお使いいただく中で自然に馴染んでいきますが、気になる方は柔らかい布やブラシで拭き取ってからご使用ください。
カーフ
カーフとは生後6カ月以内の仔牛の革のことで、生後間もないため傷が少なくキメの細かい上質な革です。滑らかで柔らかい質感で、一頭から採れる量も少ないため皮革素材の中でも高級品として扱われています。生後6か月から2年以内の牛の革をキップといいますが、イタリア等の欧州ではこれらも含めてカーフと呼ばれています。
コードバン
美しい光沢となめらかでしっとりした質感が特徴のコードバンは、馬の臀部にあるコードバン層と呼ばれる最も繊維が密になった部分を削り出した革です。その繊維層を掘り出す工程が宝石採掘のようであることから「革の宝石」や「革のダイヤモンド」とも称されています。サラブレットやポニーのような広く知られてる馬にはコードバン層がなく、ヨーロッパ地方でごく少数生産されている農耕馬からのみ採ることのできる希少性の高い革であることに加え、一頭の馬から採れる量もわずかであるため高級素材とされています。牛革の数倍の強度があり、使えば使うほど味わいの出る革で長期にわたって使い続けることが可能です。
ゴートスキン
ゴートスキンとは、独特のシボ(革表面に見られるシワ)が特徴の大人の山羊の革で、しなやかでありながら強度があるため薄くても耐久性に優れています。
キッドスキン
キッドスキンは山羊革の中でも仔山羊の革のことを指し、ゴートスキンと比較すると薄くて柔らかいですが丈夫です。キメが細かくしなやかな質感で、生産量が少ないことから高級皮革として知られています。
シープスキン
シープスキンは生後1年以上飼育された羊の革を指し、柔らかく保温性が高いことが特徴です。牛革などに比べ繊維が粗いためやや強度は落ちるものの、軽くてしなやかな質感で手触りの良さは抜群です。
ラムスキン
羊革の中で生後1年以内のものをラムスキンと呼び、採れるサイズが小さいラムスキンはシープスキンよりも希少価値の高い革となっています。シープスキンより薄いため強度は劣りますが、その分とても柔らかく優しい触り心地を楽しむことができます。
ピッグスキン
表面にある3つずつ並んだ毛穴が特徴的なピッグスキンは軽くて通気性に優れた革です。固くも柔らかくもなり半透明に加工することもできるため汎用性も高く、磨耗に強いという特徴もあります。スエード状に仕上げたピッグスキンは肌触りも良く人気の高い革素材です。牛革に比べ価値が低いと思われがちですが、その汎用性から近年では海外の高級ブランドでも取り扱われることが多く、高い評価を受けています。
お取り扱いのご注意とお手入れ方法
商品に使用されているレザーは天然素材のため、自然の中で育成過程において生じる模様、しわ、シミなどがございます。これは製造過程においてできたものではなく、自然の素材特有のものでございます。このような模様、しわ、シミなどは1点1点それぞれに異なります。革製品の特性としてお楽しみいただければ幸いでございます。雨や水濡れ、摩擦などにより、色落ち、色やけ、色移りする場合がありますので、お取り扱いには十分ご注意ください。
長くご使用いただくために、製品は通気性の良い布などに包み、他の製品(特に合皮、塩ビ素材など)と密着させないようにして、湿気がなく風通しの良い、光の当たらない場所に保安してください。
【天然皮革製品】
- 定期的に専用のクリームなどで栄養補給をしてください。表面に艶感を与え、しなやかさを保ち、劣化を防ぐことができます。
- 水に濡れた場合は、すばやく柔らかい布で軽く叩くように水気を取り、陰干ししてください。シミ、水ぶくれの原因となり、また多少の色落ち、色やけがありますのでご注意ください。雨の日の外出は特にご注意ください。
- 高温多湿の状態で保管しますと、カビの原因となります。通気性の良い布などに包み、風通しの良い場所に保管してください。
- 軽い汚れは、乾いた柔らかい布で乾拭きしてください。お手入れは専用クリーナー、クリームなどをご使用ください。
- 革は熱に弱く、繊維のように高温で染めることができないので多少の色落ちを防ぐ方法はございません。ご了承ください。
【起毛革-スエード・ヌバック・ベロア】
- 素材の特性上、色落ちが避けられません。強い摩擦や、特に水に濡れると色むらやシミの原因となったり、色落ちで衣服を汚すことがありますのでご注意ください。
- 毛のブラシでブラッシングすれば、汚れもとれ、毛足も揃います。汚れを消しゴムで軽く擦るようにして落としてください。